どこからともなく聞こえる声

酔っ払いの話はいろいろありますが、これもその一つ。

店に入るなり酔っぱらっていると分かる人。

でもその人は静かなのでそのまま席へ着くと珈琲を注文、

そして、トイレへ。しばらく出てこないが気にもならずにいました。

と、どこからか聞こえる声、でも何を云っているか分からない。

外から聞こえるのか?遠くから聞こえるのか?

他の客と顔を見合わせながら、何だ!?

ふとトイレの方に耳を寄せると、

カミー、カミー、紙がなーい!!おーい おーい かみー!

え!と思ってトイレのドアを開けると、二重ドアの中ドアを鍵も掛けずに、

完全にお尻がオープンされた状態でその男は仁王立ち、

中ドアーを閉めていれば何も見えないが、開いていた為、

店中の客がその男の尻に視線を集める事態になってしまった。

あわてて閉めたが男はまだ云うのでした、おーい紙がなーい!おーい!

ちなみに紙はすぐ手のとどく棚に置いてあったが、

酔っ払った男には目に入らなっかた様です。

仕方なく、私がトイレットペーパーを手渡しその男は静かになりました。