そこまで云わなくても

商売柄お客様より郷土の土産をよく戴きます。

ある日の昼下がり、戴き物のお土産ですけど食べません?と、お菓子を差し出す物静かな女性客、それは浅草銘菓と書かれたちょっとアンティック風の包み。

いつもすいません、いただきます!

その女性は店の隅の席に座って読書にふっけていました。

そこへ、いつもにぎやかな女性客、カウンターに座るなり、

なに、このお菓子、ださい包み、食べてもいい?

どうぞ!食べて。私は目配りをしながらそこの人がくれたと云おうとするが聞く耳もたずのその人は、なにこれ不味い!

ださくて不味くてひどいお菓子。誰、こんなの持ってきたの、田舎臭い!!カッペね!!とまくし立てて、ささっと帰ってしまいました。

あ然とする私に、隅の席に座る女性は・・・・

何もそこまで云わなくてもいいじゃない。ひどいわ!

口は災いのもと、ご注意下さい。