そこまで云わなくても

商売柄お客様より郷土の土産をよく戴きます。

ある日の昼下がり、戴き物のお土産ですけど食べません?と、お菓子を差し出す物静かな女性客、それは浅草銘菓と書かれたちょっとアンティック風の包み。

いつもすいません、いただきます!

その女性は店の隅の席に座って読書にふっけていました。

そこへ、いつもにぎやかな女性客、カウンターに座るなり、

なに、このお菓子、ださい包み、食べてもいい?

どうぞ!食べて。私は目配りをしながらそこの人がくれたと云おうとするが聞く耳もたずのその人は、なにこれ不味い!

ださくて不味くてひどいお菓子。誰、こんなの持ってきたの、田舎臭い!!カッペね!!とまくし立てて、ささっと帰ってしまいました。

あ然とする私に、隅の席に座る女性は・・・・

何もそこまで云わなくてもいいじゃない。ひどいわ!

口は災いのもと、ご注意下さい。

教訓!寝た子は起こすな

酔っぱらいは嫌いだ。それは前にも云いましたが。

でも知人ではそうも言えない。

若いのだから飲み過ぎもありますよね。身体には良くないが。

その日も飲み過ぎてカウンターで寝込んでしまった若者。

夜も更けてそろそろ閉める時間、おい、そろそろ閉めるぞ!起きろ!

揺すってみるが起きない、おーいおーい、起きろ!

それでも起きない、最後に腕をもって家まで車で送るから起きろ!と、

起こした瞬間、ウグゥ!ゲロゲロ・・・・グゥグゥゲロ・・・

私も一緒にゲロまみれ、

それ以来寝た子は起こさなくなりました。と云うより起こせなくなりました。

若い営業マンの失敗

喫茶店のお客さんにはいろいろな性格の人がいらっしゃいます。

おもしろい人、静かな人、そして怖い人。

よせばいいのにその営業マンは・・・

マスター!自動販売機置いてくれませんか。

ごめんね!うちはそういうのはいらない!他当たって。と断ると、

若い営業マンは食い下がって、そこをなんとかお願いします。

でも、いらないよ。と、やりとりしている時にカウンターに座る初老の男性。

いらねぇといってるだろ!しつこいんだよ!と横やり。

その営業マンはうるせんだよ、お前なんかに聞いてねぇよ!!

さぁ大変、その人は元ヤクザ、傷害事件で何度も警察にお世話になってる人。

今でも若い者には負けないと自負する怖い人。

そのまま、表に2人で出て行くと。外で大喧嘩。

若い方も負けない勢い、大声で始まってしまいました。

営業の上司と私はあわてて止めに入って、何とかその場は収まりました。

やっぱり人は見て話をした方がいいと思います。

これしょっぱいよ

客さんの注文でココアを作りました。

お客さん云わく、マスターこのココアしょっぱいよ!

エ!砂糖と塩間違えた?! ごめんなさい、すぐ作り直します!今度は間違えずに砂糖を入れて、ハイおまちどう様。

お客さん云わく、マスターこのココアしょっぱいよ!

エ!何だ!

よくよく調べるとしょっぱいのはココアでなく生クリームでした。

誰だ生クリームをホイップするのに塩入れたのは!

恐怖の団体客

忙しいということはとてもいい事で、店に活気が生まれるし、やりがいも生まれる。特に5~6人位のお客さんだとにぎやかですが、金額も高く付きます。

その日も忙しい一日、そしてその数人はやってきました。

にぎやかにおしゃべりをして小一時間、さて帰りましょう!!

マスター!おいしかった! マスター!また来るね!

うるさくてごめんなさいね!一人一人口々に挨拶する人達。

感じがいい人達だ。そして最後の一人が

マスター! ごちそうさま!!(バタンと戸が閉まる)・・・・・

一瞬の静寂あと誰もいなくなりました。

お金は?? ヘェ?? ナニ??

小心者の私は後を追うことは出来ませんでした。

後日その中の一人がやってきて話をすると、

えー!やだー!先輩がおごってくれるって云ったのに!!

うそー!

その先輩は最後に帰った人、みんなで勘違いをしていたそうです。

よかった、わざとじゃなくて、正直云うと疑っていました。ごめんなさい!!

高くついたコーヒー代

1杯1万円のコーヒー。不幸な人はいるもので、

当店前の路上で駐車違反で反則キップを切られた人が一人だけいます。コーヒー飲むくらい許してくれればいいのにその日の婦警さんは駄目でした。

反則キップ切られるわ、罰金は払うわ、ただ、その人はそれだけでは終わらずに、その帰り道コンクリートミキサー車にオカマほってしまいました。

ケガはありませんでしたが、こういうのを 踏んだり蹴ったり というのでしょうね、本当に高くついたコーヒー代でした。

警察署の者ですが

朝からその日はとても忙しい日でした。

お昼の忙しさも一通り終わった頃、突然現れた数人の男たち。

店長さん!私こういう者ですが、と差し出した中原警察と書かれた手帳。

はぁ?と取り付く間もなく奥にいた男性に声をかけるとつれていってしまいました。

何か悪いことをしたのでしょうけど、私はそんなことより、誰が金をはらうんだー!!

この虫とって下さい!

突然に響いた若い女性の悲鳴、店にはあいにく人影もまばらで、あわててテーブルに行くとその女性は、この虫取って下さい!!

と、自分のズボンの股の間を指さし、これ!これ!

取れといわれても、そこはあまり他人が触れてはいけないところ”禁断の花園

エ!!いいんですか!いいんですか!と知らない人が聞いたら変な会話になってしまって、結局私が手をのばして取りました。

蜘蛛さん、忘れられない思い出をありがとう!

花束一杯の不幸

楽しげに大きな花束を抱えて店に入ってきた男。

連れが後で来ますからその時にオーダーします。

そして、しばらくして来た彼女は二言三言話をするとオーダーする間もなくさ っさと帰ってしまいました。

残された男に先ほどまでの微笑みはなく、すみません!コーヒーいいです。

この花いらなくなりましたから差し上げます 。

男は帰りました・・・・あの時の君!! 今は元気かな。

いやーぁ! 人の不幸ってとっても楽しいですね!

リンゴ一個1万円なり

たまにお酒をたっぷり飲んだお客さんがいますが、私は嫌いです。

その日はいつになく泥酔の男の人、入るなり騒がしく声を上げたので、いつものように丁重に退店を願ったところ、俺は客だぞとどなりはじめました 。

そのリンゴをよこせ!!と酔っ払い、

私はプチンしてしまいまして、おぉ上等だ1万円 だ!と云うと、1万円置いて帰ってしまいました。

別に脅迫してないから罪では 無いですよね。